ちきりん
考えることは、おもしろい。
ちきりんは、そのことに気づかせてくれた。
今朝彼女のブログを読んだところ、新しい本を出したとのことである。
『社会派ちきりんの 世界を歩いて考えよう!』
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2012/05/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちきりんのことは、ライフネット生命社長の出口治明さんがきっかけで知った。
出口さんのことは、『常識破りの思考法』
ライフネット生命社長の常識破りの思考法 ビジネスマンは「旅」と「読書」で学びなさい!
- 作者: 出口治明
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2010/12/23
- メディア: 単行本
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さて、ちきりんのすごいところは以下の3点である。
1 自分のアタマで思考している
2 それをおしげもなくさらしている
3 それを“おちゃらけ”て伝えている
まず、発想がやわらかい。
『ゆるく考えよう』
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2011/01/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今までの決まりごとに捕らわれず、自分の「好き」「楽しい」「ラク」を優先するという「自分基準」で生きることを提唱している本だ。
しかし、おそらくこの生き方は「ゆるくない」。
なぜならば、その生き方をした結果をすべて受け入れる必要があるからだ。
だれかのせいにすることもなく、安易に多数派にすがることもない。
シビアに自己責任で自らの人生を生きていて、それを貫いているのだ。
そんな生き方を「ゆるく」と言っているのだから、なんともかっこいい。
この本の中で一番心に残っているのは、「人脈づくり」はたぶん無意味です、という項目だ。引用する。
本当は人脈が多いことより、本人が魅力的であるほうがよほど意味があるはずです。魅力的な人の周りには自然に人が集まるので、人脈なんて簡単につくれるからです。「自分が知っている人が多い」状態ではなく、「自分を知っている人が多い」状態のほうが効率がよいですよね。
人脈やネットワークとは「結果としてついてくるもの」であって、それをつくるためにわざわざ努力するようなものではありません。そんな時間があったら自分が好きなことに集中し、その分野で「すごく魅力的」といわれる人を目指したほうが、将来きっと役立つでしょう。
転職活動で内心不安になっている中で、納得し、元気をもらえた。
自分が今まで学んできたこと、感じたことを共有し、より魅力のある人になろうと努力するきっかけをくれた。
ライフネット生命が「行脚」http://www.lifenet-seimei.co.jp/deguchi_watch/2010/07/post_66.htmlしているのも、商品を売るより、応援してくれるファンを増やそうという考えから来ているんだろうな、と。
“じわじわマーケティング”とでもいえる活動なのだろうなと。ボディブローのように、じわじわ効く。
ちなみにこの著書の帯で堀江貴文さんが「オヤジの書いた説教本を読むより、この本を読むほうが100倍役に立ちます」と書いている。
エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』も思い出したので載せておく。
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 哲学・思想 > その他
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次に、その思考法をおしげもなくさらしている。
『自分のアタマで考えよう』
- 作者: ちきりん,良知高行
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとを見ること
横=他者比較=国際的な観点でものごとを見ること
と述べている。これは、きちりんの会社の先輩と出口治明さんが話されていたことを簡潔にまとめたものだ。具体的な比較の軸を教えてくれている。
また、分析の前提としての知識と思考を分けて認識することの重要性をあげている。
つまり、知識とは「過去の事実の積み重ね」であり、思考とは「未来に通用する論理の到達点」として区別していることである。自分のアタマで考えるとは、知識を生かして思考するということなのだ。
これらのことは、出口さんの著書にある「ビジネスの判断基準は数字、ファクト、ロジック」として、物事をゼロベースで考え、国語と算数を基に判断することが大切、という考え方と似ていると思う。
他にも、知識は「思考の棚」に整理しよう 世界の大事件NHK、BBC、CNNはこんなに違っていた、における日米英のニュース報道の違いについての考察は、非常におもしろかった。
海外旅行に行って現地のニュース番組を観たことのある方ならば、より実感できるであろう。
最後に、おちゃらけて、ユーモアを入れて伝えている。
読んだ人を追いつめることもなく、私はこう考えたよ、じゃーね〜のような。
考えること自体を楽しんでいるかのようである。
たとえ導きだした答えがまわりと異なっていても、「そんじゃーね」なのだ。
明るく、前向きに、自ら考えることを楽しんでいる。
楽観的であること—「よかった確認」という、ちきりんの母のあたたかみも感じる。
私はまだまだ数字とおちゃらけの部分が弱いと思う。
これからもきちりんのよいところを吸収していきたい。
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