坂爪真吾、鈴木大介

情熱のルポライター、現実の暗部に光を当てる。

坂爪真吾、鈴木大介両氏の著書を勧める。

私は大学時代に「性教育」をテーマにして卒業論文を書いた。
スケベ心に満ちていたのはもちろんだが、まともに語られぬ性、どこか隠れて語らなければならない性に違和感を感じていたのだと思う。
そのときに出会った本もいくつか含まれている。

児童福祉臨床(児童相談所など)の現場には性的虐待を受けてきた子がたしかにいる。
しかしそのことはあまり光に当てられることはない。
そしてこれらの著書にあるように、障害者やシングルマザーなど、光が当てられにくいところで生きている人も多いのだろう。

気になった箇所を・で引用した。
もしまだ読んだことがない方は、一度手に取ることをおすすめする。


・性=セックスは、食事や排泄、睡眠と並び、人が生きていくための、そして、次世代に命をつないでいくための最も基本的な欲求。

・しかし、今の介護・福祉制度下では、性は、完全に「ケアの対象外」とみなされている。「障害者に性欲があるはずがない」「障害者が、妊娠・出産するはずがない」などの偏見や無知が前提になっている。

セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書)

セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書)

・「性の介助は陰では施設の職員や医療関係者、家族などがきっとやっていることだと思います。それを表に出したいのです。私は批判されてもいい。多くの方が真剣に考えてくれることを願っています」(セックスボランティアを行う佐藤さん)

・オランダにはセックスの相手を有料で派遣する団体「SAR」が存在している(20年以上活動)。

セックスボランティア (新潮文庫)

セックスボランティア (新潮文庫)

私は障害者向けのデリヘル嬢

私は障害者向けのデリヘル嬢

・「売春に生活費を依存する」という選択にまで追いつめられていながら、取材対象者のほとんどが、生活保護を受けていなかった。

・理由の一つは、生活保護の申請がなかなか通らないこと。「なぜ働けないのか?」「元夫のとの養育費の話をやり直せないのか?」とイジメのように社会福祉事務所に問いただされる。

・「バレない売春で稼ぐ方が、生活保護の差別よりマシ」。

出会い系のシングルマザーたち―欲望と貧困のはざまで

出会い系のシングルマザーたち―欲望と貧困のはざまで